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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻10号

1991年10月発行

文献概要

研究と報告

癌性疼痛に対する精神医学的関与の重要性について

著者: 田中敏恒1 佐藤哲哉1 市井吉三郎2 丸田宥吉3

所属機関: 1新潟市民病院精神科 2新潟市民病院内科 3新潟市民病院外科

ページ範囲:P.1111 - P.1116

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 【抄録】 進行癌の手術後,原発巣に一致した部位に疼痛が出現し同時に精神症状を伴っていた2症例の治療経過について精神科コンサルテーションの立場から報告した。各々不安状態,抑うつ状態を呈していたが,それらに対して向精神薬を投与し小精神療法を施行することにより,精神症状は軽快しそれに伴い疼痛も軽快していった。以上の経験から癌性疼痛は器質的要因が明らかに存在しても,心因的に荷重され,精神症状と疼痛の間に悪循環が形成された場合,精神医学的に治療することにより疼痛が軽減することがあり得ると考えられた。また終末期医療の重要性が叫ばれている今日,それに対する精神医学からの取り組みが不十分である現状についても言及した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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