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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻11号

1991年11月発行

研究と報告

精神分裂病の陰性症状と反応時間検査に現れる認知機能障害—精神分裂病の情報処理障害と陰性症状(第2報)

著者: 高橋和巳1 山田寛1 加藤伸勝1

所属機関: 1東京都立松沢病院精神科

ページ範囲:P.1179 - P.1186

文献概要

 【抄録】 精神分裂病患者群の中には陰性症状の目立つ一群とこれが比較的軽度である一群があり,前者は急性期の治療終了後の社会復帰にあたって大きな障害になっている。前回我々は単純反応時間の測定を行い,反応時間の分布パターンの違いから精神分裂病患者群を2つの亜群に分類し,その一方が特に陰性症状の強い一群であることを報告した。今回はさらに神経生理学的な測定からこれを検証するために,2つの患者群に対し,①陰性症状を中心とする臨床症状,②反応時間課題実施中の事象関連電位,③脳波基礎律動の分析を行った。その結果,陰性症状の強い患者群,陰性症状の軽い患者群および正常対照群の3群間で,注意関連電位といわれる陰性電位変動のパターンおよび脳波の%パワー・デンシティの結果に差を認めた。これにより精神分裂病患者群を2つの亜群に分けて検討することが有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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