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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻11号

1991年11月発行

文献概要

研究と報告

反応性精神病が疑われ,診断が困難であった高血糖昏睡の1症例

著者: 真下清1 榎田雅夫1 山内俊雄1

所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1211 - P.1216

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 【抄録】 高血糖昏睡の死亡率は高く,早期診断,早期治療が必要といわれている。初発症状として腹痛,悪心などの消化器症状を訴える場合は腹部疾患と誤診されることがあり,集中困難,脱抑制,不穏,抑うつなどの精神症状,あるいは意識障害で発症することもあるといわれる。
 最近我々は,幻視,腹痛を主訴に入院したが,昏睡状態を呈し死亡した糖尿病性昏睡の1症例を経験した。反応性精神病の診断で入院したが,午後より昏睡状態を呈し,種々の治療にもかかわらず翌日死亡した。検査結果および病理解剖の結果から,高血糖昏睡と診断された。
 これまで高血糖昏睡の初発症状では精神症状を呈した報告例は少なく,文献的考察を加えるとともに,本疾患における早期診断,早期治療の重要性を強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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