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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻11号

1991年11月発行

研究と報告

院内断酒会における集団力動—小集団発達の見地から

著者: 寺岡葵1 坂梨寿弘2 久佐賀寿美子1

所属機関: 1寺岡葵精神科医院 2岡山家庭裁判所

ページ範囲:P.1231 - P.1239

文献概要

 【抄録】 精神科診療所受診のアルコール依存症者を地域断酒会へいかに円滑に導入するかを目標に,1981年4月院内断酒会を始めた。毎月,第1土曜日に夜間の例会を開き,医師と看護者はオブザーバーとしての立場を堅持しながらの参加である。本会は現在まで,112回を迎えたが,これを「小集団」としてみると,回を重ねるごとに未熟な段階から次第に成長し,成熟過程をたどることが分かった。その過程は方向づけ段階(未熟,模索期),愛着段階(仲間意識の形成期),成熟段階(受容力増大期)などに分類された。この各段階の小集団の構成を具体的に提示し,小集団としての性格,凝集力,コミュニケーション構造やソシオメトリック構造,時間経過を分析し,治療者が,自助集団である地域断酒会の発展に寄与できる可能性とその役割について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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