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「精神医学」への手紙
Letter—胃癌手術を契機に発症したRestless legs syndromeの1例
著者: 上平忠一1 滝沢謙二1
所属機関: 1千曲荘病院
ページ範囲:P.1259 - P.1259
文献購入ページに移動 Restless legs syndrome(以下RLS)はEkbom1)によって報告された症候群であり,下肢に不快な異常感覚が出現するとされています。これまでRLSの原疾患はいろいろと知られていますが,胃癌の手術を契機に発症した報告は少なく,本邦ではないようですので,ここに自験例につき簡単に報告しておきたいと思います。
症例は80歳の男性です。高血圧の既往歴を有しており,79歳の4月頃から心窩部の違和感,食欲不振,体重減少が出現し,Ⅱc早期胃癌の診断で,同年6月に胃切除術が施行され,抗癌剤を投与されました。2カ月後から,入眠時に下肢の不快感が出現し,同時に鉄欠乏性貧血(赤血球298万,血色素59%,Fe 70μg/dl)を認めました。輸血などにより貧血が改善されたものの,半年後に就寝後,下腿部の深部に軽い電気がかかっているようなあるいは「虫が這っている」ような異常感覚が出現し頑固な睡眠障害を伴い,さらに下肢筋群に睡眠時ミオクローヌスが著明となり,1991年2月18日に筆者らが紹介を受けました。高血圧(180mmHg〜108mmHg)および軽度の貧血(赤血球375万,血色素75%)が認められましたが,神経学的には異常所見はみられず,正常脳波でした。RLSと睡眠時ミオクローヌスの合併として,clonazepam 1〜1.5mgの少量投与により症状は軽快し,経過は良好です。
症例は80歳の男性です。高血圧の既往歴を有しており,79歳の4月頃から心窩部の違和感,食欲不振,体重減少が出現し,Ⅱc早期胃癌の診断で,同年6月に胃切除術が施行され,抗癌剤を投与されました。2カ月後から,入眠時に下肢の不快感が出現し,同時に鉄欠乏性貧血(赤血球298万,血色素59%,Fe 70μg/dl)を認めました。輸血などにより貧血が改善されたものの,半年後に就寝後,下腿部の深部に軽い電気がかかっているようなあるいは「虫が這っている」ような異常感覚が出現し頑固な睡眠障害を伴い,さらに下肢筋群に睡眠時ミオクローヌスが著明となり,1991年2月18日に筆者らが紹介を受けました。高血圧(180mmHg〜108mmHg)および軽度の貧血(赤血球375万,血色素75%)が認められましたが,神経学的には異常所見はみられず,正常脳波でした。RLSと睡眠時ミオクローヌスの合併として,clonazepam 1〜1.5mgの少量投与により症状は軽快し,経過は良好です。
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