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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻12号

1991年12月発行

研究と報告

軽症痴呆にみられる精神症状

著者: 内村大介1 三山吉夫1

所属機関: 1宮崎医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.1335 - P.1341

文献概要

 【抄録】 軽症痴呆症の診断は,その治療と予後を考えるためにも重要である。軽症痴呆症には知的機能障害以外の精神症状を伴うことが少なくなく,痴呆症であるのか,その他の精神障害であるのか,その鑑別に苦慮することも多い。
 そこで,軽症痴呆症が疑われた症例の随伴精神症状を,知的機能検査成績,神経放射線学的検査成績,および臨床経過を含めて検討したところ,各種検査成績と随伴精神症状に相関関係は認められなかった。しかし,随伴精神症状の内容とその臨床経過において,ある特徴を認めた。すなわち,痴呆症の初期にみられる精神症状は,psycho-organic syndromeをその病態の基盤とし,痴呆症の経過とともにorganic syndromeに移行すると考えた。
 したがって,軽症痴呆症を疑う症例の随伴精神症状の正しい評価は,しいては痴呆症の正しい診断にもつながると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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