文献詳細
文献概要
特集 精神科領域におけるレセプター機能の研究の進歩
定型および非定型抗精神病薬の抗ドーパミンD1,D2,抗セロトニン5-HT2作用
著者: 松原繁広1 松原良次1 小山司1 山下格1
所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室 2
ページ範囲:P.117 - P.123
文献購入ページに移動chlorpromazineの登場により精神分裂病の薬物療法が可能になって半世紀近くになろうとしている。その後butyrophenone系の薬物など,多数の抗精神病薬が使用可能になりその有用性も証明されている。作用機序についてはなお明らかでないが,一般に受け入れられているのは“ドーパミン仮説”であろう。1970年代半ばになって,Seemanら29),Creeseら10)が抗精神病薬の臨床用量とそのドーパミンD2受容体阻害能とのあいだに高い相関があることを証明し,“ドーパミン仮説”はますます確からしいものとなった。
したがって,抗精神病薬による治療には多かれ少なかれ錐体外路系の症状(以下,EPS)がつきまとうことになるが,1960年代末に現れたdibenzodiazepine系薬物であるclozapineは,明らかに抗精神病効果を示すにもかかわらずEPSを欠く31)ことから,古典的抗精神病薬(定型的な抗精神病薬,typical antipsychotic drug,以下typical APD)に対比され,非定型抗精神病薬(atypicalAPD)として,以来数多くの研究の対象となってきた。
掲載誌情報