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特集 精神科領域におけるレセプター機能の研究の進歩
σ(シグマ)受容体の結合特性と各種抗精神病薬の作用
著者: 図子義文1 原田俊樹2 奥村一哉2 氏家寛2 藤原豊2 秋山一文2 武田俊彦3 山本智之4 大月三郎2
所属機関: 1岡山大学医学部脳代謝研究施設病態生化学部門 2岡山大学医学部神経精神医学教室 3慈圭病院 4河田病院
ページ範囲:P.125 - P.131
文献購入ページに移動σ(シグマ)受容体は,当初オピオイド受容体の1亜型として想定され薬理学的にもその同一性が確認された後,現在ではオピオイド受容体と区別されている受容体である。σ受容体に作用する内因性作用物質が特定されていないためどのような種類の受容体に属するのか結論は出ていないが,σ受容体には(+)異性体のオピエートのみならずhaloperidolなどの抗精神病薬が作用することが,その薬理学的研究が行われた当初から明らかにされてきた。最近ではσ受容体は,抗精神病薬の作用機序と抗精神病薬によるジストニアの発現機序29)との観点から注目されている。今までσ受容体に対する抗精神病薬の親和性を系統的に調べた報告は少なかったので,今回は新旧の各種抗精神病薬とその他向精神薬を含む各種薬剤のσ受容体に対する親和性を,[3H]haloperidolを標識化合物とした受容体結合実験によって調べた。
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