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研究と報告
精神分裂病者の死亡に関する疫学的研究—長崎市の原爆被爆者を対象として
著者: 太田保之1 植木健2 三根真理子3 大塚俊弘2 菅崎弘之2 塚崎稔2 吉武和康2 内野淳2 荒木憲一2 道辻俊一郎2 中根允文2
所属機関: 1長崎大学医療技術短期大学部 2長崎大学医学部精神神経科 3長崎大学医学部付属原爆被災学術資料センター
ページ範囲:P.165 - P.173
文献購入ページに移動被爆分裂病者の5大死因のうち,心疾患(死亡割合18.3%,相対危険度1.71),脳血管疾患(死亡割合13.0%,相対危険度1.03),肺炎・気管支炎(死亡割合10.7%,相対危険度2.15),自殺(死亡割合11.5%,相対危険度6.10)の4死因は被爆一般人口に比較して統計学的に有意に高かった。しかし,悪性新生物(死亡割合17.6%,相対危険度0.73)は被爆一般人口との間に有意な差異は認めなかった。年齢層ごとの死亡の割合をみると,被爆一般人口では高齢者ほど死亡者数が多くなる傾向を示していたが,被爆分裂病者のほうは若年者ほど死亡者が増加する傾向が認められた。これらの線型関係はLinear trend testで有意な関係にあった。
今回の被爆分裂病者の死因・死亡率に関する解析結果は一般の分裂病者の死亡特性として解釈してもよいと考えられた。
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