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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻2号

1991年02月発行

研究と報告

季節性感情障害の1例における神経生物学的検討

著者: 中山和彦1 遠藤拓郎1 吉牟田直孝1 忽滑谷和孝1 田中樹子1 伊藤洋1 佐々木三男1 森温理1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.175 - P.184

文献概要

 【抄録】 軽度の月経前緊張症を呈する23歳の典型的な季節性感情障害の症例に,神経生物学的指標を設定して光パルス療法を実施した。その結果明らかな改善が認められ,いくつかの興味ある所見が得られたので報告した。
 その中で神経内分泌の変動に注目すべき結果が認められた。まずうつ状態や過食などと関連が考えられる血漿中トリプトファン濃度について述べると,総トリプトファン濃度は一定であるものの,脳内に移行する遊離型トリプトファン濃度は病相期において有意に低下しており,また光照射によって明らかに増加することが認められた。一方,メラトニンの日内変動は正常であったが,分泌量が低下していた。TSHとプロラクチンは低値でしかも日内変動が不明確になっていた。またこれらの所見も光照射によってある程度改善された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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