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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻2号

1991年02月発行

文献概要

研究と報告

新しい抗てんかん薬ゾニサミドによる薬疹の1例

著者: 大橋嘉樹1 柳生隆視1 加護野洋二1 福島正人1 木下利彦1 岡島詳泰1 磯谷俊明1 延原健二1 齋藤直巳1 赤枝民世2 廣谷好永2 齋藤正己1

所属機関: 1関西医科大学精神神経科学教室 2関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.191 - P.194

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 【抄録】 てんかんの薬物療法には,種々の抗てんかん薬が用いられる。その使用にあたっては,的確な種類,量の抗てんかん薬を選択するとともに,起こり得る副作用には十分注意する必要がある。今回,側頭葉てんかん患者に新しい抗てんかん薬zonisamideを投与中,ステロイド治療を必要とする重篤な全身性多型浸出性紅斑が出現し,zonisamideによる薬剤性皮疹と診断された1例を経験した。症例は29歳の女性で,zonisamide投与後10日目より紅斑性皮疹が発生したため,投与後13日目に中止したが,皮疹はその後全身に広がり,発熱,口腔粘膜疹,肝障害が発現したので入院治療を行なった。確定診断のために,DLST,貼布試験,内服試験を施行したが,DLST,貼布試験では明確な結果は得られず,内服試験により皮疹の再現を認めた。Zonisamideによる重篤な薬疹はこれまで報告がなく,zonisamide投与中は皮膚病変に十分な注意が必要であることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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