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研究と報告
分裂病の異父3姉妹発症例
著者: 植木啓文1 高井昭裕2 長瀬志津子3 曽根啓一4
所属機関: 1岐阜県精神保健センター 2岐阜大学医学部神経精神医学教室 3慈恵中央病院 4厚生省精神保健課
ページ範囲:P.226 - P.233
文献購入ページに移動3症例に共通する基礎性格は母親から伝達されたものであろうが,自我の強度の差異は彼らの生活史の差異に還元される。自我同一性の重層的発達の乏しい3症例に備わった受動と能動はそれ自体すでに欠陥を有しており,受動—能動の自在な変換を要求される状況で発症している。発病様式,初期症状は生活史—病前性格を反映している。「私」と「家」は相補的,相互応答的に作用し合っており,この両者の関係が3症例の発病後の経過に及ぼす影響が示唆された。非発病同胞は,情緒的よそよそしさを有し,家族の情緒的まきこみや緊張を回避していた。
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