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研究と報告
老年同胞に発症し高血圧を伴わないBinswanger型脳血管性痴呆
著者: 神岡芳雄1 西村信一1 狩野正之1
所属機関: 1佐久総合病院精神神経科
ページ範囲:P.243 - P.250
文献購入ページに移動臨床像は初期,中期,末期に分けて要約して述べた。全経過年数とけいれん発作の有無を除くと,症例1(兄)と2(弟)は病像が酷似していた。両者とも臨床診断にはCT所見が有用であった。症例2にはSPECTも応用された。剖検された症例2の神経病理学的所見は,大脳白質の広範びまん性髄鞘淡明化とU線維の保存傾向がみられた。この病変は脳底部動脈からの各大脳動脈分岐部の高度の内膜肥厚,大脳くも膜下腔小動脈と白質の細小動脈の著明な中膜肥厚硝子化による,高度内腔狭小化に伴う慢性血行不全に主因が求められた。文献からみて,老年期同胞発症例の記載はみられないが,前田らの青年期同胞発症例などと比較考察を行った。
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