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研究と報告
自我漏洩症状の症状変遷について
著者: 萩生田晃代1 濱田秀伯1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.283 - P.289
文献購入ページに移動 【抄録】 自我漏洩症状の特異な症状変遷を示した2症例について報告した。症例1は自己臭恐怖—考想伝播(視線によって思考内容が漏れる)—考想伝播(喉から勝手に思考内容が漏れる)の順に,症例2は表情恐怖—自己視線恐怖—考想伝播(喉から無理に思考内容が漏れる)の順に変遷し,患者は次第に症状に対処できなくなっていった。症状進展の特徴として,内部の支配・強制感の強まりと,漏洩する内容が具体化・言語化することを,挙げることができた。
被影響現象と自我漏洩症状という,対立する2つの自我障害の系列の,症状の進展を比較すると,支配・強制感の強まりと内容の具体化・言語化といった構造上の類似が認められた。なお自我漏洩症状は,その進展から,運動性の強い仮性幻覚としてとらえることも可能であった。
被影響現象と自我漏洩症状という,対立する2つの自我障害の系列の,症状の進展を比較すると,支配・強制感の強まりと内容の具体化・言語化といった構造上の類似が認められた。なお自我漏洩症状は,その進展から,運動性の強い仮性幻覚としてとらえることも可能であった。
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