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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻3号

1991年03月発行

研究と報告

成人における言語障害発作重積状態

著者: 兼本浩祐1 扇谷明1 河合逸雄1

所属機関: 1国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター

ページ範囲:P.299 - P.305

文献概要

 【抄録】 8例の文献例に1例の自験例を併せ,言語障害重積状態(status epilepticus of speech-disturbance:SESD)の特徴を,側頭葉てんかんと関連の深い失語発作群発状態(Kisker)と対比して総括した。その結果,語新作の多発,言語刺激による発作の誘発等を特徴とする後者の症例群に対して,軽度〜中等度の言語理解障害を伴う超皮質性感覚失語に類似する重篤な言語表出障害,手・顔に限局し,マーチを伴わない短時間の運動発作,高年齢発症,発作間歌期の脳波所見の乏しさ,複雑部分発作が合併しないといった特徴が抽出された。更に,運動発作が体の一部に限局していること,脳波所見は断続的でありながら,臨床所見としての言語障害は一定時間持続していたこと等から,興奮性の機序とともに,抑制性の機序がSESD発現に何らかの役割を果たしている可能性を示唆し,Princeらの焦点周囲過分極説と関連させてこれを論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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