icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻4号

1991年04月発行

研究と報告

感情障害発症の季節性変動

著者: 大門一司1 辻本哲士1 塩入俊樹1 北村隆行1 花田耕一1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.367 - P.372

文献概要

 【抄録】 1982年より88年に滋賀医科大学付属病院精神科神経科に入院した患者のうち,DSM-Ⅲ診断基準に従い感情障害と診断された患者194名につき,DSM-Ⅲ診断基準を満たした時期を発症時期として,大うつ病,双極性感情障害の躁病相とうつ病相,非定型うつ病,非定型双極性感情障害うつ病相に分け,男女別に発症時期の季節性変動について検討した。
 大うつ病女性患者のうつ病相は春,秋に多く,非定型双極性感情障害うつ病相は夏に少ないが,いずれも有意の差はない。双極性感情障害女性患者のうつ病相は春に多く,有意の差を認めた。さらに女性については双極性感情障害のうつ病相と躁病相に,大うつ病と双極性感情障害のうつ病相の発症時期に,いずれも有意の差を認めた。男性患者にっいては大うつ病,双極性感情障害ともに季節性はみられなかった。これらより感情障害発症に関して女性がより季節の影響を受けやすいことが示唆される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら