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研究と報告
精神症状を呈したフリーベース乱用の1例
著者: 渡辺登1 笠茂公弘1 大森淑子1
所属機関: 1駿河台日本大学病院精神神経科
ページ範囲:P.381 - P.387
文献購入ページに移動 【抄録】 遊離塩基型コカイン(フリーベース)喫煙に加え,マリファナやスピードと称する覚せい剤を乱用し,精神症状を呈した22歳男性の1例を報告した。大学1年夏頃よりマリファナ喫煙を始め,大学4年を目前に渡米してからフリーベースを乱用するようになり,さらにスピードも使用するようになった。フリーベースによる高揚感を得,それを増強するためにスピードを併用することがあり,そして血中コカイン濃度が低下する際に起こる倦怠感を取り除くために消沈感を与えるマリファナやアルコールを使用し,あたかもローラーコースターに乗っているような気分を味わっていた。一時禁断したが,交通事故後帰国してからも多剤乱用を続けていたところ,被害妄想等が生じたため外来治療を受けることとなった。以上の経緯を呈示したうえ,コカインとその乱用や惹起される精神症状,治療について紹介した。
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