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『早発性痴呆または精神分裂病群』(オイゲン・ブロイラー著)の成立と今日的意味について
著者: 滝口直彦1
所属機関: 1カール・メニンガー精神医学校
ページ範囲:P.421 - P.423
文献購入ページに移動 本年は,オイゲン・ブロイラー(以下,オイゲンと記す)の著書『Dementia praecox oder Gruppe der Schizophrenien』(1911.邦訳:飯田,下坂,保崎,安永,共訳『早発性痴呆または精神分裂病群』医学書院,1974)が出版されて80周年に当たる。本書が精神医学における金字塔のひとつであることは,ここで述べるまでもない。筆者は,オイゲンの初期の著作をめぐって,マンフレッド・ブロイラー教授(オイゲンの令息,現在ツォリコン在住)と数回にわたり文通する機会を得た。その中で教授は,オイゲンの業績の今日における意味について述べられた。『早発性痴呆または精神分裂病群』出版80周年という機会に教授のお考えを紹介したい。なお,本論は,基本的に教授の論文1)の記述に沿ったものである。
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