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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻5号

1991年05月発行

研究と報告

精神科保護病棟の長期在棟者についての臨床的研究—いわゆる「処遇困難例」との関連で(第2報)

著者: 中谷陽二1 大木進2 山田秀世3 岩波明3 藤森英之3

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所 2八潮病院 3東京都立松沢病院

ページ範囲:P.471 - P.478

文献概要

 【抄録】 精神科男子保護病棟の長期・頻回在棟者39例を対象に分類を試みた。保護病棟の使用理由と密接に関連する症状-行動特性から以下のように分類し,「5A分類」と名づけた。1.攻撃-衝動型 Aggressive-impulsive type(12例):衝動的な対人暴力の傾向をもつ者。2.反社会-操作型 Antisocial-manipulative type(6例):反社会的な行動パターンが顕著で,規則違反や巧妙な対人操作によって病棟秩序を攪乱する者。3.激越-情動不穏型 Agitated-unstable type(8例):情動面の著しい不安定により,喧燥,治療拒否,時に自殺への傾同をもつ者。4.自閉-解体型 Autistic-disorganized type(11例):自閉,人格解体,それらに起因する異常行動のため集団的治療が困難な者。5.問題経歴型 Antecedent-related type(2例):現時点で顕著な問題行動はないが,重大な犯罪歴をもつため将来の危険性を否定しえない者。いわゆる「処遇困難例」の多様性を指摘し,各類型の治療指針に触れた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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