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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻5号

1991年05月発行

文献概要

研究と報告

季節性感情障害における高照度光療法の臨床効果に関する多施設共同研究

著者: 永山治男1 佐々木三男2 一井貞明3 花田耕一4 大川匡子5 太田龍朗6 浅野裕7 杉田義郎8 山崎潤9 香坂雅子10 小鳥居湛11 前田潔12 岡本典雄13 石束嘉和14 高橋清久15 本多裕16 青木裕子1 大庭明子1 高橋三郎4

所属機関: 1大分医科大学精神神経医学教室 2東京慈恵会医科大学精神神経科教室 3産業医科大学精神医学教室 4滋賀医科大学精神医学教室 5秋田大学精神科学教室 6名古屋大学精神医学教室 7室蘭総合病院祝津分院精神科 8大阪大学精神医学教室 9埼玉医科大学精神医学教室 10北海道大学精神医学教室 11久留米大学精神神経科学教室 12神戸大学精神神経医学教室 13浜松医科大学精神神経医学教室 14山梨医科大学精神神経医学教室 15国立精神・神経センター神経研究所 16神経研究所晴和病院

ページ範囲:P.487 - P.493

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 【抄録】 24例の季節性感情障害患者に高照度光療法(光療法)を施行し,次の結果を得た。62%の症例が同症用Hamiltonうつ病評価尺度で50%以上の改善,24%の症例が25%以上50%未満の改善,14%の症例が25%未満の改善を示した。悪化例および副作用を示した症例はなかった。治療中止後1ヵ月以上にわたって無治療で観察できた症例の67%が中止後14日以内に悪化を示したが,それ以後の悪化例はなかった。治療の再施行による効果の再現性が確認された。無効例では,照射方法を変更して再施行することにより効果を得ることができた。改善率は,うつ病の非定型症状の治療前重症度と有意な相関を示したが,定型症状のそれとは相関を示さなかった。以上から,光療法は季節性感情障害において有用な治療法であり,しかも本症の症状特徴をより多く有するタイプの症例に対し,より有効であることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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