icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻5号

1991年05月発行

文献概要

研究と報告

摂食障害における頭部CT,脳波,内分泌異常の相関関係

著者: 大谷正人1 村瀬さな子2 川喜田昌彦1 中瀬玲子1 村瀬澄夫3 牛田久見子1 清瀬豪久1 野村純一1

所属機関: 1三重大学医学部精神神経科 2三重大学医学部公衆衛生学講座 3三重大学医学部第一生理学講座

ページ範囲:P.505 - P.509

文献購入ページに移動
 【抄録】 anorexia nervosaの患者27例,bulimia nervosaの患者5例,計32例に頭部CTscanおよび脳波検査を施行した。また32例中22例にLH-RHテスト,23例にTRHテストを施行した。対照群に対して,anorexia群では高度の,bulimia群で軽度の脳室拡大がみられた。罹病期間が1年半以下の場合,脳室拡大の程度は様々であったが,罹病期間が1年半を越えると,脳室拡大と罹病期間の間に正の相関が認められた。また,脳波の徐波化を伴った摂食障害群では脳室拡大は高度であり,LH-RHテストにおいてLHの過小反応,遅延反応を示す群でも脳室拡大は高度であった。TRHテストでは,脳室拡大との間に有意な相関は認められなかった。以上より,罹病期間が長期に及ぶと脳萎縮は非可逆的になる可能性があること,また脳波異常とLH-RHテストの異常は脳室拡大に関連があることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?