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短報
ナロキソン療法を試みたBulimia Nervosaの1例
著者: 飯田順三1 南尚希1 岩坂英巳1 平井基陽1 井川玄朗1
所属機関: 1奈良県立医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.525 - P.528
文献購入ページに移動近年摂食障害は増加傾向を示しており,その中でもbulimia nervosaが増加している。しかし,その治療は極めて困難であり,様々な精神療法,家族療法,行動療法などが試みられているが難治な症例が多い。最近,摂食行動におけるオピオイドペプチドの重要性が指摘され,欧米では過食症にオピオイド拮抗剤のナロキソンによる治療が報告されている。本邦ではナロキソン療法の報告は珍しく,我々の知る限りでは延沢ら6)の1例を認めるのみである。今回我々はDSM-Ⅲ-Rにてbulimia nervosaと診断された症例で,種々の薬物療法や精神療法で効果の認められなかった患者にナロキソン投与を試み,興味ある知見を得たので報告する。
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