文献詳細
文献概要
短報
透明中隔腔とベルガ腔を合併した短期反応精神病の1症例
著者: 林直樹1 高橋あけみ1
所属機関: 1東京都立松沢病院
ページ範囲:P.529 - P.531
文献購入ページに移動■はじめに
中枢神経系の先天的形成異常である透明中隔腔とベルガ腔(以下それぞれCSP,CVと略)は神経衰弱状態やてんかん,精神分裂病などの多くの精神神経疾患と合併していることが知られており,それらの精神疾患への病因的意義についての議論が重ねられている。しかしそこには共通の要因が認められず,またこの形成異常が発見されても臨床症状が認められない症例もあることから,その精神科臨床における単純な意味づけは困難である。我々はCSPとCVを合併した短期反応精神病(以下BRPと略)の症例を経験したので,それを報告し,この形成異常とBRPとの病因論的,病態論的な連関について若干の考察を行いたい。
中枢神経系の先天的形成異常である透明中隔腔とベルガ腔(以下それぞれCSP,CVと略)は神経衰弱状態やてんかん,精神分裂病などの多くの精神神経疾患と合併していることが知られており,それらの精神疾患への病因的意義についての議論が重ねられている。しかしそこには共通の要因が認められず,またこの形成異常が発見されても臨床症状が認められない症例もあることから,その精神科臨床における単純な意味づけは困難である。我々はCSPとCVを合併した短期反応精神病(以下BRPと略)の症例を経験したので,それを報告し,この形成異常とBRPとの病因論的,病態論的な連関について若干の考察を行いたい。
掲載誌情報