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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻5号

1991年05月発行

資料

向精神薬による急性薬物中毒症例の実態と血液検査異常

著者: 西嶋康一1 石黒健夫1

所属機関: 1自治医科大学精神科

ページ範囲:P.543 - P.552

文献概要

■はじめに
 自殺は精神科救急医療の中で極めて重大な問題である。特に,自殺者の心理の解明,自殺の予防,自殺企図者のケアなどは,以前から諸家6,9,10)により論じられてきたが,今後も議論されなければならない重要な課題と考えられる。
 一方,近年精神科外来では,通院患者が増加する傾向にあり,それに伴って,患者が自殺目的で処方された向精神薬を大量に服用し緊急入院する例が多くなっており,今後も増加することが予想される。こうした症例は,生命的危険がなければ,最初から精神科で治療しなければならない場合が多く,精神科医といえども身体管理に十分な関心を払う必要がある。
 筆者は,自殺目的で向精神薬を服用した薬物中毒症例を治療する機会を少なからず持ってきたが,その際,血液検査上異常の認められるケースがかなりいることに以前より気づいていた。これまでに,急性薬物中毒時の血液検査異常についての報告はほとんどなく,このことを明らかにすることは,治療する上で参考になると思われる。そこで今回,多数例において,患者の実態と,その血液検査異常について検討を行ったので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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