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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻6号

1991年06月発行

文献概要

研究と報告

てんかんの発作性二重身体験—自験6例による検討

著者: 原純夫1 武井茂樹1 原常勝2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室 2駒木野病院

ページ範囲:P.587 - P.594

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 【抄録】発作性に二重身体験(実体的意識性による二重身あるいは自己像幻視)を呈したてんかんの6症例につき報告した。全例とも複雑部分発作を持ち,精神発作としてPenfieldらの言う解釈的錯覚,体験性幻覚を合わせ持つものが多かった。二重身体験の出現に際しては,離人体験→実体的意識性二重身→自己像幻視,という一定の発展方向が認められた。自己像幻視を呈した5例は3例が鏡像型(顔面,顔面〜胸部,全身),2例が場面型であり,これはdreamy stateにおけるものであった。6例の脳波所見,画像診断(頭部CT,MRI,SPECT)を検討し,発作性二重身体験の責任病巣として側頭部を中心として,頭頂,後頭,さらに時には前頭部も含む,側方性とは無関係のてんかん原性領域(epileptogenic region)が想定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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