文献詳細
研究と報告
精神病院入院患者における胆石—腹部超音波断層法による検討
著者: 橋口知1 福迫博1 野間口光男1 長友医継1 松本啓1
所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.627 - P.632
文献概要
全対象94名のうち,26名(27.7%)に胆石が認められた。胆石保有率と年齢の間に有意な関係は認められなかったが,男女別では女性の胆石保有率が有意に高かった。また,胆石保有群は非保有群に比べて,罹病期間および服薬期間が有意に長かった。年齢,肥満,抗精神病薬の1日服薬量,血液生化学検査では,両群間に有意差は認められなかった。
精神病院入院患者は,一般人に比べて胆石保有率が有意に高く,また,胆石形成に関与すると思われる因子に関して,一般人における研究報告との間に相違がみられた。今回の結果と文献的考察から,抗精神病薬が胆石の形成に促進的に作用している可能性があることを示唆した。
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