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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻6号

1991年06月発行

文献概要

研究と報告

職場における抑うつ状態に関する調査—自己評価式抑うつ尺度を用いて

著者: 尾崎紀夫1 伊藤孝広1 三浦英樹2 長瀬治之1 篠田毅1 小野雄一郎3

所属機関: 1中部労災病院精神科 2中部労災病院健康診断センター 3名古屋大学医学部衛生学科

ページ範囲:P.653 - P.658

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 【抄録】 職場環境が勤労者の抑うつ状態に与える影響を検討するため,Zung自己評価式抑うつ尺度(Zung SDS)と職場の様々な項目を含んだアンケート用紙を用いて調査した。Zung SDSの妥当性を検討するために外来精神疾患患者にZung SDSを適用した結果,抑うつ尺度として使用するのは妥当であろうと考えられた。勤労者1,661名のアンケート用紙の結果を検討したところ,従来の報告と比較して抑うつ状態の発生率が低かった。今回の対象が労働衛生への配慮が高い公的職場であったことがその要因と思われる。職場での何らかの問題を感じているものは男女ともに抑うつ状態が多かった。残業時間が多く,職場の人間関係も問題で,自己の仕事への適性に疑念を感じている女性が病院の技術職に集中しており,抑うつ状態が多発していた。彼女らは看護婦にみられるバーンアウトの可能性が強い。男性においては仕事への役割同一化が強く,多忙でも抑うつ傾向のみられないものがいた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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