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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻7号

1991年07月発行

文献概要

研究と報告

アイマーク・レコーダーを用いた精神分裂病患者の視覚性認知障害に関する研究—再認課題に識別時間を取り入れて

著者: 諏訪浩1 松島英介2 小島卓也2 森克己3 桜田美壽壽2 守屋裕文1 宮坂松衛4

所属機関: 1東京都立広尾病院神経科 2東京医科歯科大学神経精神医学教室 3森病院 4獨協医科大学精神神経科

ページ範囲:P.697 - P.704

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 【抄録】 精神分裂病患者の視覚性認知障害の特徴を明らかにするために,従来の横S字型図形を呈示する検査のうち,再認課題に時間的負荷を課した時の注視点の動きを分裂病患者29名および正常対照者27名について分析し,比較・検討した。正常者では再認課題中の注視点の動きは図形によって著明に異なり,課題終了後にも直前の結果を確認するような動きがみられ,時間的・空間的つながりの中で刺激を把握しているが,分裂病患者では断片的に各刺激を処理していることが推測された。また,分裂病患者にみられるこれらの注視点の動きには,BPRSで評価される感情面の障害(感情的引きこもりなど)や運動面の障害(運動減退)が関連していることが分かった。さらに,分裂病患者では再認課題後の念押しの質問に対する積極的な注視点の動きが乏しく,これは再認の際の注視点の動きとも密接に関係していることが分かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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