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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻7号

1991年07月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の臨床症状とWAIS所見との関連について

著者: 松井三枝1 倉知正佳1 葛野洋一1 角田雅彦1 河合義治2 藤井勉2 谷口保子2 舟坂雅春2

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室 2富山県立中央病院精神科

ページ範囲:P.705 - P.712

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 【抄録】 精神分裂病患者の課題解決能力の性質をより明らかにするために,臨床症状とWAISとの関連を検討した。対象はDSM-Ⅲ-Rで精神分裂病と診断された51名で,全例にWAISを施行し,またPositive and Negative Syndrome Scale(PANSS)による症状評価を行った。臨床症状との関連については,陰性症状はIQ,特に動作性IQと負の相関が強かった。また,抽象的思考の困難さをはじめ概念の解体,幻覚体験,感情鈍麻,会話の自発性と流れの欠如もIQとの関連を示した。下位尺度の中では,絵画完成が最も多くの症状と相関していた。各臨床類型にっいてはWAISの各下位尺度およびIQに有意な差異が見出されなかった。WAISの結果についてのクラスター分析からは,異なるプロフィル特徴をもつ4類型が見いだされた。4類型については,クラスター1と3は知的水準は異なるが陽性・陰性両症状が強く,クラスター4は両症状ともに軽度でかつ知的水準も良好であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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