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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻7号

1991年07月発行

研究と報告

感情障害患者群の体重分布と体重変化

著者: 塩入俊樹1 辻本哲士1 山田尚登1 大門一司1 花田耕一1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.725 - P.732

文献概要

 【抄録】 8年間に入院した感情障害(DSM-Ⅲ)患者127例について,入院期間中の体重変化の実測値を標準体重分布に基づいて検討し,さらに自己申告による体重変化と食欲低下を客観的な実測値と比較し,以下の結果を得た。①うつ病患者群の体重分布曲線は,入院時明確な“やせ”傾向を示し,退院時には正常化した。②うつ病の女性において,特に入院時の体重減少傾向が強く,退院時の正常分布への戻りがよかった。③うつ病の下位分類では,メランコリーを伴うものでより入院時“やせ”傾向が顕著で,退院時においても軽度の“やせ”傾向を残していた。一方,メランコリーを伴わないものは,退院時には体重が増加して健常者の体重分布に近づくことが分かった。④躁病では一定の傾向を示さなかった。⑤患者の自己申告による体重変化は実測値と相関し,特にうつ病では信頼性が高かった。⑥主観的食欲低下は,体重変化の実測値との間に有意な関係は認められなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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