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短報
抗精神病薬の副作用として生じる分裂病的精神症状について
著者: 坂本暢典1 高森宏2 天羽裕二3 岩橋正人1 副島清史4
所属機関: 1北野病院神経精神科 2森病院 3天羽医院 4大阪市立大学医学部神経精神科
ページ範囲:P.753 - P.756
文献購入ページに移動その一方で,抗精神病薬の副作用として,内因性分裂病症状との鑑別が困難な精神症状が生じることが報告されている。例えば,「悪性症候群」と緊張病性昏迷の鑑別診断の困難さは有名である。また,「paradox反応」1)ないしは「akathisia」7),「亜急性抑うつ反応」5),「akinesia」3),「tardiveakathisia」2),「挿話性病理現象」6)などの場合にも,これらの抗精神病薬による精神症状と内因性分裂病症状の類似性は高く,鑑別診断は困難である(表)。また「paradox反応」ないしは「akathisia」によって,自殺や殺人すら生じうることも報告されている4)。
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