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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻7号

1991年07月発行

文献概要

短報

抗精神病薬の副作用として生じる分裂病的精神症状について

著者: 坂本暢典1 高森宏2 天羽裕二3 岩橋正人1 副島清史4

所属機関: 1北野病院神経精神科 2森病院 3天羽医院 4大阪市立大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.753 - P.756

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 精神分裂病に対する第一選択の治療は,抗精神病薬による薬物療法であり,今日の日常臨床においては,分裂病患者のほぼ全員が,抗精神病薬の投与を受けている。また,分裂病においては薬物の維持療法が必要とされており,抗精神病薬の投与は,長期にわたるものとなる場合が多い。
 その一方で,抗精神病薬の副作用として,内因性分裂病症状との鑑別が困難な精神症状が生じることが報告されている。例えば,「悪性症候群」と緊張病性昏迷の鑑別診断の困難さは有名である。また,「paradox反応」1)ないしは「akathisia」7),「亜急性抑うつ反応」5),「akinesia」3),「tardiveakathisia」2),「挿話性病理現象」6)などの場合にも,これらの抗精神病薬による精神症状と内因性分裂病症状の類似性は高く,鑑別診断は困難である(表)。また「paradox反応」ないしは「akathisia」によって,自殺や殺人すら生じうることも報告されている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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