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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻7号

1991年07月発行

短報

血液透析療法が有効であった悪性症候群の1例

著者: 福西勇夫1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所

ページ範囲:P.757 - P.760

文献概要

■はじめに
 悪性症候群(Neuroleptic Malignant Syndrome,NMS)は抗精神病薬投与による重篤で致死的な副作用の一つで,臨床症状では意識障害,筋強剛,自律神経系症状,発熱等を呈し,検査所見では白血球増加,CPKの異常高値を示す症候群であることはよく知られている。ここ数年本邦においても,NMSの症例が相次いで報告されている2,3,8,9,12,17)
 NMSの治療はdantroleneによる薬物療法が主流とされつつあるが,ときに筋組織の破壊によりミオグロビンが血液に流出され尿細管を閉塞することから,急性腎不全を惹起し緊急の血液透析(Hemodialysis,HD)の施行を余儀なくされることもある。その一方では,NMSに対し,抗精神病薬の除去を目的として血液灌流(Direct Hemoperfusion,DHP)による治療の試み2,8,11)もなされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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