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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻8号

1991年08月発行

文献概要

研究と報告

アルコール離脱性せん妄と離脱けいれん発作の発現危険因子について

著者: 吉野相英1 加藤元一郎1 原常勝1 鈴木透1 北村俊則2

所属機関: 1駒木野病院 2国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.827 - P.831

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 【抄録】 入院男子アルコール依存者156名を対象とし,アルコール離脱性せん妄と離脱けいれん発作の発現危険因子の同定を試みた。操作的に定義した常習飲酒開始年齢,アルコール乱用および依存の発症年齢,常習飲酒期間,アルコール乱用および依存の罹病期間,アルコール乱用からアルコール依存への進行期間,評価時年齢,第1度親族のアルコール症家族歴の9つの臨床指標による段階的ロジスティックモデルを用い,発現危険因子を同定した。離脱性せん妄の発現危険因子はアルコール依存の長期罹病と家族歴であった。離脱けいれん発作の発現危険因子はアルコール乱用からアルコール依存への急速な進行と家族歴であった。アルコール症の家族歴は発端者における身体依存の急速な進行とその重症化と関連していることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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