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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻8号

1991年08月発行

研究と報告

高照度光療法が有効であった睡眠覚醒スケジュール障害の1例

著者: 辻本哲士1 花田耕一1 塩入俊樹1 大門一司1 北村隆行1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.849 - P.856

文献概要

 【抄録】 近年,生体リズム異常が病因と推定される睡眠障害,睡眠覚醒スケジュール障害が報告され注目を集めている。我々は人工的な高照度光療法が有効であった本障害患者1例につき,病勢期,寛解期に深部体温測定,終夜脳波検査,睡眠覚醒記録を行い,生体リズムの変化について分析した。患者は29歳男性。25歳の時,不規則な勤務スケジュールの仕事に移ってから,不眠過眠を繰り返すようになり,睡眠覚醒スケジュール障害と診断された症例である。入院後も睡眠覚醒の異常が続いたため午前6時から8時まで毎朝2時間,2500luxの高照度光療法を行った。治療開始直後より睡眠覚醒スケジュールは急速に改善し,日常的な生活習慣に同調できるようになった。生体リズムの変化について,深部体温は睡眠相後退期に頂点位相の後退を認めたが,光療法実施により位相の前進を示した。終夜脳波は睡眠相後退期,入眠潜時,徐波睡眠潜時,中途覚醒時間の延長を認めたが,光療法実施後,各パラメーターの短縮改善を示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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