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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻8号

1991年08月発行

研究と報告

アルツハイマー型痴呆における神経心理機能と局所脳血流量

著者: 小山秀樹12 川勝忍1 篠原正夫1 佐川勝男1 森信繁1 生地新1 灘岡寿英1 十束史朗1

所属機関: 1山形大学医学部精神神経医学教室 2現,国立精神・神経センター武蔵病院

ページ範囲:P.857 - P.863

文献概要

 【抄録】 アルツハイマー型痴呆31例,健常老年者10例を対象にして,133Xe吸入法による局所脳血流量の測定と新たに作成した20項目からなる神経心理学的検査を実施し,局所脳血流量と神経心理機能の障害の関係について検討した。局所脳血流量は,対照群に対して有意の低下が認められ,特に,側頭葉,頭頂葉での低下の割合が大きくなる傾向がみられた。神経心理機能との関係では,「運動の調節」「言語性記憶」「視覚性記憶」「構成」などの検査項目の得点と前頭葉上部,頭頂葉の脳血流量との間で有意の相関が認められ,これらの領域が神経心理機能の障害と関係があることが示唆された。神経心理学的検査の因子分析からは,運動,構成に関係する因子,一般的知識に関係する因子,記憶に関係する因子の3因子が抽出された。このうち運動,構成に関する因子が右頭頂葉とより強い関係があることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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