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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻8号

1991年08月発行

短報

消化性潰瘍治療薬ranitidineによりパーキンソニズム,アカシジアを呈した1例

著者: 諸冨とも子1 久郷敏明1 山本良隆1 早原敏之1 細川清1

所属機関: 1香川医科大学精神神経科

ページ範囲:P.865 - P.868

文献概要

■はじめに
 消化性潰瘍治療薬であるH2-blockerは,ヒスタミン類似の構造をもち,上部消化管出血,胃酸過剰分泌に,従来の薬物にない画期的な作用を示すため,本邦でも導入後急速に浸透し,広範に使用されている。この系統の薬物は,従来は脳血液関門を通過しないと考えられてきた8)。しかし近年,使用頻度に比し稀ではあるが,中枢神経系副作用の報告が散見されるようになった。そのような副作用として報告が多いのは,せん妄や抑うつ状態である3,15,19)
 今回筆者らは,H2-blockerであるranitidine投与中に,パーキンソニズム,アカシジアという従来の報告では稀な症状を呈した症例を経験した。本剤による中枢神経系副作用に関しては,わずかに抑うつを伴うパーキンソニズムを示した増田ら7)の症例が報告されているにすぎない。治療上示唆に富む症例と考え,経過の概要を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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