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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻9号

1991年09月発行

文献概要

研究と報告

うつ病者におけるメランコリー型性格特徴と人格障害(その1)—人格障害とメランコリー型およびうつ病の臨床的特徴との関係

著者: 佐藤哲哉1 田中敏恒1

所属機関: 1新潟市民病院精神科

ページ範囲:P.925 - P.934

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 【抄録】 外来通院している大うつ病52名に対し,過去の病相数,うつ病発症以前1年間のlife event,気分障害の家族歴,病像の特徴の調査,メランコリー型性格傾向の測定,DSM-Ⅲ-R人格障害診断を行い,人格障害とメランコリー型性格傾向および各臨床的特徴との関連を多変量解析を用いて分析した。得られた主な結果は以下であった。①大うつ病の7割に人格障害が認められ,そのうちの半数には2つ以上の人格障害がみられた。頻度の高いものは回避性,強迫性,自己愛性,依存性人格障害であった。②メランコリー型性格傾向の高さは,回避性,依存性,強迫性人格障害の存在と関連していた。③男性に2つ以上人格障害をもつ者が多かった。年齢が低いほど人格障害がみられやすかった。④強迫性人格障害の存在が過去の病相数の少なさと,人格障害の個数の多さがlife eventのストレスの低さと,依存性および強迫性人格障害が大うつ病の家族歴と関連していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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