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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻9号

1991年09月発行

研究と報告

Imipramineが著効を示したREM Sleep Behavior Disorderの3症例

著者: 松本三樹1 武藤福保1 直江裕之1 鎌田隼輔1 千葉茂1 宮岸勉1

所属機関: 1旭川医科大学医学部精神科神経科

ページ範囲:P.967 - P.975

文献概要

 【抄録】 REM Sleep Behavior Disorderの3症例(健康高齢者1例,脊髄小脳変性症2例)を報告した。睡眠ポリグラフィおよびビデオ記録によって,全例でStage 1-REM with tonic EMG(Stage 1-REM),REM密度の高値および異常言動(激しい寝言,四肢の動き,起座など)が認められ,異常言動と夢体験(悪夢)との関連性が確認された。一方,MRIではいずれの症例でも脳幹部に異常所見はみられなかった。3症例に対してimipramine(IMP)を主とする薬物療法を行った結果,すべての症例で異常言動が著しく改善され,%Stage 1-REMが減少した。また,3例中2例ではREM密度の低下も認められた。
 以上の結果から,本症の発現にはREM睡眠中の筋緊張抑制および急速眼球運動発現の両機構における機能的障害が関与していると考えられた。また,本症に対するIMPの作用機序として,上述のREM睡眠中の持続性現象と相動性現象の両者への影響が推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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