icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻9号

1991年09月発行

研究と報告

分裂病患者の音声認知過程—事象関連電位(P300)による検討

著者: 岩波明1 中村道彦2 山本卓二3 西原京子3 松岡俊樹4 加藤伸勝1

所属機関: 1東京都立松沢病院 2京都府立医科大精神医学教室 3東京都精神医学総合研究所 4長浜病院

ページ範囲:P.977 - P.984

文献概要

 【抄録】 分裂病における音声の認知過程を検討するため,精神症状の安定した分裂病患者11例を対象に純音刺激と純音を模した音声刺激に対する事象関連電位を記録した。この結果健常者に比べ分裂病患者において反応時間の遅延がみられたが,課題遂行成績に差はみられなかった。健常者では音声刺激に対して後期陽性成分の増大がみられたが,分裂病患者では純音刺激において高振幅であった。両群の比較では純音刺激で差は小さかったが,音声刺激では分裂病患者の後期陽性成分は有意に低振幅だった。以上の結果から,分裂病患者においては音声認知過程において言語的記憶の利用の障害がみられることが推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら