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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

二重盲検法によるBuspironeおよびBromazepamの各種神経症に対する薬効の比較

著者: 西園昌久1

所属機関: 1福岡大学精神神経科

ページ範囲:P.985 - P.999

 【抄録】 新規抗不安薬buspirone(以下BSP)とbenzodiazepine(以下BZD)系抗不安薬bromazepam(以下BRM)を各種神経症患者167例に投与し,不適格26例を除く141例についてその効果,安全性,有用性を二重盲検比較試験にて検討した。最終全般改善度,有用度はBRM群が有意に優れていたが,概括安全度ではBSP群の副作用発現率が低い傾向であった。Hamilton不安評価尺度での合計点の推移はBRM群が2,3週目で有意に優れていたが4週目では両剤間に有意差を認めなかった。また,実薬投与終了1週後では,BRM群にrebound現象が認められた。神経症症状評価尺度,自己診断点の「心気」,「神経質」の2項目でBRM群が有意に優れていた。依存性評価表(D-3-B)を用いての薬物依存調査では項目③でBSP群の発現率が有意に低かった。したがって,BSPは我々のopen trialの成績および過去の臨床経験から従来のBZD系薬剤とほぼ同等の効果を有し,より一層安全性の高い薬剤であると考えられた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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