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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻9号

1991年09月発行

短報

予後良好な単純ヘルペス脳炎の1例—特にIgG捕捉ELISA法とSPECTによる診断について

著者: 黒川賢造1 地引逸亀1 山口成良1

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1001 - P.1004

文献概要

■はじめに
 単純ヘルペス脳炎(herpes simplex encephalitis;HSE)は急激な経過をたどり,発熱や意識障害,けいれんなどの症状8)を呈し,神経学的所見,髄液所見,血清学的所見などによりその診断は比較的容易と思われる。しかし,精神症状を初発とし内因性精神病や心因反応との鑑別が困難な例3)も多いことが知られている。
 今回我々は,傾眠,情動変化,性欲亢進,脱抑制など多彩な精神症状で発症し,髄液所見や一般的なウイルス抗体価の有意な上昇を欠いたが,近年血清学的診断法で確立されつつあるIgG捕捉ELISA法(IgG capture enzyme linked immunosorbent assay;IgG-C-ELISA)1,9)とSPECT(single photon emission computed tomography)所見によってHSEと診断され,その後の治療で治癒した1症例を経験した。これら新しい検査はHSE診断において有用と考えられたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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