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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻1号

1992年01月発行

研究と報告

Rapid cycling affective disorder発症に関する諸因子と治療について

著者: 山口登1 青葉安里1 常泉智弘1 高木博敬1 千嶋達夫1 酒井隆1 根岸協一郎1 廿楽通徳1 諸川由実代1 上村誠1 竹下貴史1 大田共夫1 木代真樹1 長谷川和夫1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学神経精神科

ページ範囲:P.63 - P.68

文献概要

 【抄録】 躁うつ病患者のrapid cycling現象(年に少なくとも4回かそれ以上の抑うつおよび躁または軽躁のエピソードを有する)の関連因子とその治療について主に精神薬理学的観点から検討した。双極型感情障害患者46名(男15名,女31名)を対象とし,それぞれの臨床経過をretrospectiveに調査したところ,rapidcycler(RCと略す)は12名(男4名,女8名),non-rapid cycler(non-RCと略す)は34名(男11名,女23名)であった。RC 12名の感情障害発病からrapid cyclingまでの期間は約7年であり,rapid cycling時には,すべての症例で躁または軽躁状態が認められた。RC発症に関与する因子として,遺伝負因を有することと自殺企図が比較的高頻度にみられることに加え,躁病相直前の抗うつ薬治療が重要な因子と考えられた。治療としては,大量の抗うつ薬投与を避けること,さらに,躁病相時には一時的にneurolepticsを用いることはあっても最終的には炭酸リチウム,カルバマゼピン,バルプロ酸ナトリウムの単独または併用が有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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