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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻1号

1992年01月発行

研究と報告

Charles Bonnet症候群の1例

著者: 足立直人1 永山素男1

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院

ページ範囲:P.83 - P.87

文献概要

 【抄録】 症例は84歳女性。64歳白内障手術後に緑内障を併発し,数年で全盲となった。手術直後より特に誘因なく“歌舞伎役者”などの複合幻視を挿間性に繰り返し生じた。幻視は生き生きとして明確なものであったが,当初は現実との区別が可能であった。83歳時,風邪を契機に“獅子”などの慢性的な幻視となり,徐々に家族を巻き込んでの妄想を形成した。ほぼ全経過を通じ,意識は清明であり知的機能の低下も認めなかった。また精神分裂病や躁うつ病も除外された。これらの所見から本例はCharles Bonnet症候群のほぼ中核的な状態に引き続き,2次性妄想を生じたものと考えられた。
 幻視を中心とした特異な精神症状と検査所見について報告し,Charles Bonnet症候群の疾患概念とその幻視の特徴について考察を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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