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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻11号

1992年11月発行

研究と報告

抗コリン剤長期連続投与の見直し—抗精神病薬の長期服用精神分裂病患者における抗コリン剤中止の試み

著者: 竹内隆12 古賀茂1 森山成彬1 金長壽1 斎藤雅1

所属機関: 1八幡厚生病院 2国立肥前療養所

ページ範囲:P.1189 - P.1197

文献概要

 【抄録】 精神分裂病患者に抗精神病薬を投与する際,薬物性の錐体外路症状の出現を予防する目的で,併用された抗コリン剤は,中止の機会を失ったまま漫然と継続投与されていることが多い。我々は,入院中の慢性精神分裂病患者48名を対象として抗精神病薬に併用されている抗コリン剤を中止し,以下の結果を得た。①再投与が必要とされた患者は9名(18.8%)であった。②再投与が必要となった患者9名に13件の症状が現れ,内訳はアカシジア6件,抗コリン剤の退薬症候群と思われるもの4件,パーキンソニズムの増悪2件,ジストニア1件であった。③中止群・漸減群の2群に分けて検討すると,再投与が必要となったのは中止群33.3%,漸減群7.4%であり,漸減群で再投与率が低かった。以上により,抗コリン剤の中止は試みる価値があり,方法は漸減が望ましいことが明らかになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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