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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻11号

1992年11月発行

研究と報告

悪性症候群3例の123I-IMPによるSPECT所見

著者: 西嶋康一1 的場正樹1 高野謙二1 石黒健夫1 中村恵2 永野満2

所属機関: 1自治医科大学精神医学教室 2茨城県立友部病院

ページ範囲:P.1199 - P.1207

文献概要

 【抄録】 3例の悪性症候群に,123I-IMPを用いたSPECTを継時的に行った。その結果,2症例において,その病相期の検査のearly imageで,右の基底核領域でtracerの集積が少ないのに対して左で集積が増加するという左右差を認めた。また,残りの1例では,その病相期に2回検査を行い,やはり基底核領域で,1回目は最初の2症例と同じくearly imageで右に対して左でtracerの集積が増加するという左右差を認め,2回目の検査ではdelayed imageにて左に対して右でtracerの著明な集積の増加を認めた。そして,これらの異常所見は,悪性症候群から改善した後の検査では認められなかった。以上より,悪性症候群の病相期では,基底核領域に何らかの障害が生じていることが直接示されるとともに,123I-IMPによるSPECTは悪性症候群の病態を探る上で有用な検査であることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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