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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻11号

1992年11月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の記憶機能—Selective Reminding Testによる検討

著者: 松井三枝1 倉知正佳1 湯浅悟1 葛野洋一1 鈴木道雄1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室

ページ範囲:P.1225 - P.1230

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 【抄録】 日本語版Selective Reminding Testを作成し,分裂病患者についての検討を行った。対象はDSM-Ⅲ-Rで精神分裂病と診断された21名と健常対照者21名。平均年齢は分裂病患者群26.3±5.5歳,健常対照者群25.9±3.2歳で,分裂病群の平均罹病期間は4.4±4.4年,抗精神病薬の平均投与量はchlorpromazine換算で283.1±253.8mg/日であった。また,Positive and Negative Syndrome Scale(PANSS)を改変した尺度で症状評価を行った。その結果,分裂病患者では,1)総再生数と再認数が健常者よりも少ないことから,記憶過程における符号化の障害が示唆された。2)さらに,分裂病患者では長期記憶貯蔵と長期記憶検索の差異が大きいことから,記憶過程における検索時の障害も加わっていることが示唆された。3)分裂病患者では記憶課題において再認よりも再生障害のほうが大きかった。4)記憶成績低下は陽性症状と関連したが.陰性症状とは関連しなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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