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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻11号

1992年11月発行

文献概要

研究と報告

恐慌性障害の症例研究・2—その経過と薬物療法

著者: 塩入俊樹1 花田耕一1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.1231 - P.1238

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 【抄録】 DSM-Ⅲ診断基準が導入されて以来の10年間に恐慌性障害(panic disorder)と診断された,自験例166症例について,その経過と薬物療法の有効性にっいて検討した。①精神科受診前にまず内科を受診した者が全体の約65%を占めた。②発症から当科を初めて受診するまでの期間が1年以内の者は約60%であった。③他科における治療期間は約半数の者が3カ月以内であった。一方,精神科に通院する場合,大多数の患者が2年間は通院を続けていた。④処方される薬剤は,benzodiazepine系の抗不安薬が全体の67.2%を占め,その中ではcloxazolamとalprazolamの頻度が高かった。抗うつ薬の使用は全体の17.2%にすぎない。⑤恐慌発作が消失した者は約45%で,その約9割の患者は1カ月以内に消失していた。⑥恐慌発作の消失率は,alprazolamを使用した場合,他の薬剤に比し有意に高かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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