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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻11号

1992年11月発行

短報

書痙および職業性けいれんのclonazepamによる治療

著者: 宮本洋1 小泉準三2

所属機関: 1湯原病院 2筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.1245 - P.1248

文献概要

 職業性けいれんを含むいわゆる書痙は,書字,ひげ剃り,手術など手指を使用する特定の作業の際に現れる運動調整の欠如と筋けいれんに特徴づけられる機能性の障害である。書痙の病因は不明であり,心因から神経生理学的な障害まで様々な仮説が立てられている6)。それらの仮説に基づいて,biofeedback療法をはじめ,精神分析療法,自律訓練法,条件制止法あるいは薬物療法などの様々な治療法が試みられている10)。一方,clonazepamはbenzodiazepine系の薬剤であるが,抗けいれん剤としても使用されるほか,tardivedyskinesiaなどの不随意運動21),強迫性障害9),気分障害2),恐慌性障害19)などの精神障害の治療にも使用されている。しかし,書痙の治療にclonazepamが使用されたという報告は,我々の知るかぎりほとんどない。
 書痙および職業性けいれんの2症例にclonazepamによる治療を試みたところ,症状の改善がみられたのでこの症例について報告し,若干の考察を加える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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