文献詳細
文献概要
特集 精神科領域におけるインフォームド・コンセント
精神科医療とインフォームド・コンセント
著者: 高柳功1
所属機関: 1有沢橋病院
ページ範囲:P.1274 - P.1276
文献購入ページに移動■研究の背景
インフォームド・コンセントが,日本の医学界で広く知られるようになったのは,たかだかここ数年にすぎない。
インフォームド・コンセントという概念※は,第二次大戦下の人体実験に対する深い反省から出発している6)。ヒポクラテスの誓いに表現される医師としての聖職意識のみによっては,大戦下の忌まわしい数々の事件が防ぎえなかったという事実が,医学がインフォームド・コンセントという新しい地平を必要とした最も大きな理由である。新薬,新しい治療法が時として悲惨な結果をもたらしたという科学技術への失望も一つの大きな契機となっている2)。インフォームド・コンセントの骨格が,アメリカで形成されたのが1950年代,今日の概念がほぼ整ってきたのが1970年代である7)。
インフォームド・コンセントが,日本の医学界で広く知られるようになったのは,たかだかここ数年にすぎない。
インフォームド・コンセントという概念※は,第二次大戦下の人体実験に対する深い反省から出発している6)。ヒポクラテスの誓いに表現される医師としての聖職意識のみによっては,大戦下の忌まわしい数々の事件が防ぎえなかったという事実が,医学がインフォームド・コンセントという新しい地平を必要とした最も大きな理由である。新薬,新しい治療法が時として悲惨な結果をもたらしたという科学技術への失望も一つの大きな契機となっている2)。インフォームド・コンセントの骨格が,アメリカで形成されたのが1950年代,今日の概念がほぼ整ってきたのが1970年代である7)。
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