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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻12号

1992年12月発行

研究と報告

単純ヘルペス脳炎を合併したループス精神病の1例

著者: 小松尚也1 児玉和宏1 岡田真一1 森山稔弘1 山内直人1 佐藤甫夫1 高林克日己2 得丸幸夫3 金井輝4

所属機関: 1千葉大学医学部神経精神医学教室 2千葉大学医学部第二内科学教室 3千葉大学医学部神経内科学教室 4東条病院精神科

ページ範囲:P.1339 - P.1345

文献概要

 【抄録】 SLEによる精神障害(ループス精神病)の診断の下に治療を開始したが,経過中の精神症状と画像所見がループス精神病として典型的でなかった症例を報告した。本症例は身体症状および血清学的・免疫学的検査からSLEと診断されうるが,精神症状としては,多幸的,脱抑制などの性格変化,記銘力,知的能力の低下がみられ,痴呆状態と考えられた。また,頭部MRIでは大脳半球白質内に多発する点状の高信号域と,シルビウス裂周辺を中心とする広範な高信号域の2種類の病変が認められ,当科におけるループス精神病の頭部MRI所見,および他のSLEの頭部MRI所見の報告と比較し,典型例でないと判断された。器質性疾患の合併が疑われたため,諸検査を進めたところ,髄液中の単純ヘルペスウイルス抗体価の上昇が認められた。精神症状,画像所見と併せて,本症例はSLEに単純ヘルペス脳炎が合併したものと判断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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